バンドル(bundle)とは衣類などの束を示す言葉ですが、洗濯用洗剤のバンドルテストは衣料用洗剤の実用的性能を評価する最も信頼性の高い方法として認められている試験法です。JISには含まれていませんが、ASTM(The
American Society for Testing and Materials)で標準化されています。
成人の男女と2人以上の子供を含む家族10世帯以上を対象として実用レベルの洗濯物を着用してもらいます。洗濯物は全く同一のものを2セット準備しておきます。両方のセットを異なる洗剤2種で、それぞれ着用・洗濯を10回以上のサイクルで繰り返します。家庭での着用後、洗濯試験は設備のある試験施設に持ち込んで洗濯し、また家庭に持ち込んで着用してもらいます。洗濯時には水の硬度、洗濯温度、洗剤濃度などを厳密に管理し、最終的には布の色、手触り、におい、清浄度、白さ、つやなどを視覚的に判定します。
実際の洗濯での性能評価であり、特に着用-洗濯のサイクルの繰り返しの影響をみるので、結果に対して文句のつけようがありませんが、その手間や費用は並大抵のものではありません。同時に2種の洗剤間の比較しかできず、実用レベルの試験なのでそれだけ誤差要因も多く含まれます。条件の異なる複数の地域で同時に試験を実施するなどで客観性が高まりますが、実際の洗剤類では成分も刻々と変化する場合も多く、それだけの試験を実施するニーズは実際にはそれほどありません。
※ポイント
消費者団体や消費者センター等のレベルで一般消費者の協力を得て行われる試験法に一見似ていますが、各家庭で洗濯までを実施するとその信頼性が皆無になってしまいます。あくまで着用のみを各家庭で担当してもらい、洗濯自体は実験の客観性確保を保障できる試験機関で担当する必要があります。一般の洗濯操作は、実は汚れ落ちを左右する要素が無意識のうちに作用してしまうものなのです。