染色した繊維製品の色の堅牢さを計る試験を染色堅牢度試験といいますが、洗濯に対する染色堅牢度の試験法は、「洗濯に対する染色堅ろう度試験法」JIS L 0844で定められています。染色布を白布に縫い付ける、または染色糸や繊維を白布で包み込む等して洗濯試験を行います。洗濯試験装置としてはラウンダオメータを用います。これは、内径55mm程度、容積550mL程度の円筒状容器の中に被洗物と洗浄液とステンレス硬球をいれ、蓋をして密閉したうえで、その円筒状容器を振り回すような形の回転運動を加えるタイプの洗浄試験機です。この試験機では回転ドラム式洗濯機の洗浄と同様の機械力が作用します。
A法、B法、C法がありますが、A法は洗剤として石けんを用い、B法とC法は各種成分を混合して調整する合成洗剤を用います。また、A法でも石けんのみと石けんに炭酸ナトリウムを加えたものの違い、洗浄温度、洗浄時間、硬球の数等の違いで7種類の方法が指定されています。B法では界面活性剤としてLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を用い、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の助剤を配合した合成洗剤1号が用いられます。B法もpH,液量、ステンレス鋼球の数、温度、洗浄時間等で6種の方法が定められています。C法では界面活性剤としてLAS、AE(アルコールエトキシレート)、石けんの3種を用い、トリポリリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなどの助剤を配合した2種の合成洗剤2号と3号のどちらかを用いることとなっています。また、pH、液量、ステンレス鋼球の数、温度、洗浄時間などで16種類の方法が定められています。
結果の判定は、染色物の変退色と白布への汚染の度合いをみます。評価は変退色用グレースケール、汚染用グレースケールという、色の濃さの変化を評価するための基準色票に照らし合わせて目視で評価します。
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