☆石けん系シャンプーに切り替えたときにギシギシする理由
では、非石けん系シャンプーから石けん系シャンプーに切り替えた当初、毛髪がギシギシするのはなぜか。それは、石けんの宿命であるアルカリの液性によって毛髪が膨潤し、キューティクルが立ち上がって毛髪同士の摩擦係数が増し、更に非石けん系シャンプーと併用していたリンス剤による処理を行わないため余計に毛髪の感触が悪くなるものと考えられる。毛髪自体に対して、弱アルカリ性の石けん水溶液と、非石けん系シャンプーに用いられている界面活性剤の中性~弱酸性の水溶液と、どちらが毛髪に対して大きな負荷を与えるかというのは専門家レベルでは明白で、キューティクルの損傷に対しては石けん系シャンプーの方が圧倒的に危険因子となることは常識だ。タンパク質系汚れに対する弱アルカリ性洗剤と中性洗剤との洗浄力の比較を行えば明白だ。合成洗剤、粉石けんの違いは関係なく、中性洗剤よりも弱アルカリ性洗剤の方が圧倒的に洗浄力が高くなる。それは、界面活性剤の種類が石けんかそうではないかということよりも、ずっと、液性が中性か弱アルカリ性かという違いの方がタンパク質の破壊に寄与することを示しているのだ。
ただ、石けん系シャンプーを使用しても、そこに作用する機械力を小さくしてキューティクル同士の擦れがないように洗うのならば問題が目立たないということは言えるだろう。実際に石けん系シャンプーの愛用者がそれなりに存在し、それらの人々の毛髪が非常に傷んでいるということもありそうにないからだ。但し、洗濯での事例を示したように、毛髪に機械的な負担をかける洗い方をするなら、その差は歴然となる。
(2000年8月12日)
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