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■ 洗浄試験での汚染布のサイズの影響2025. 3.31

最近、ごく少量の洗剤液で小さな汚染布を洗う小スケールの洗浄試験に凝っています。実用を目指したスクリーニングが非常に効率的になるためです。日本でよく用いられる湿式人工汚染布は5cm×5cmの大きさですが、これを1.7cm×1.7cmに切断すれば9枚の汚染布が確保できますので汚染布も大幅に節約できます。オリジナル汚染布を作成して試験する場合なども、汚染布は非常に貴重なので小型汚染布で試験できれば非常にありがたいのです。下記はそのトライした研究の一部です。
Miyako Oya-Hasegawa, Masaru Oya, A small-scale washing test that reproduces the mechanical forces occurring inside a commercial washing machine, Journal of Oleo Science, 72(2), 161-170 (2023) [https://doi.org/10.5650/jos.ess22314]

しかし、汚染布が小型になれば洗浄力が低下する傾向がみられます。今までは5cm×5cmの汚染布をターゴトメータ―で洗浄するのと同様の機械力が得られる条件を探してきましたが、ちょっと無理があるかも。小型の汚染布にはそれに応じた洗浄率基準に変えていく必要があるのかもしれません。

今更ながら布洗浄時の機械力は複雑ですね。JIS K3362の家庭用合成洗剤試験方法が改定されましたが、その中で洗濯用洗剤の洗浄試験でのかき混ぜ型洗浄試験機(ターゴトメータ―など)の攪拌速度が従来の120回/分から100回/分に変更になりました。これは現在の一般的な家庭用洗濯機に機械力を合わせるための改正です。

しかし布の種類によって、一般的な家庭用洗濯機に対応するターゴトメータ―の攪拌速度は異なることが明らかになりました。今回博士の学位を取得された佐々木さんの研究成果の一部ですが、柔軟な合成繊維の汚染布では木綿布に比べてより小さい攪拌速度で一般の洗濯機に対応します。
Shigeyo Sasaki, Takashi Kameya, Masaru Oya, Effect of underwater flexibility of a soiled cloth on the detergency of automatic washing machines, Textile Res. J., First published online Feb 7 2025 [https://doi.org/10.1177/00405175241293398]

布に作用する機械力は深く追求すれば色々と課題はありそうですが、とりあえず小スケールの洗浄試験の機械力の条件設定が必要なので、対応法を考えておく必要がありそうです。今度はこのテーマで学会年会等で発表しておきましょうかね。