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■ 洗浄に関するシンポジウムメモ(3) | 2024.10.10 |
一般の研究発表に相当するオリジナルレポートは口頭が11件、ポスターが11件ありました。その中でいくつか印象に残ったもの。 山﨑産業株式会社の垣内氏の「硬質表面に、洗浄と同時に耐水性の防汚・抗菌機能を付与する洗浄組成物の研究開発」とのタイトルで、アニオン性のキサンタンガムとカチオン性基材として塩化ベンザルコニウムの組み合わせで、便器表面に耐水性の防汚・抗菌機能を付与できるというものです。アニオンとコンプレックスを形成してもカチオン活性剤が抗菌性を保つという部分を明確にすることが期待されますね。 ノボザイムズジャパンの鈴木氏による「医療器具洗浄分野への新規ブレンド酵素製剤の展開」は消化器等の内視鏡の洗浄にバイオフイルムをターゲットにした酵素を配合する工夫について説明されました。医療分野の洗浄が広がっていくといいんですけどね。厚労省が怖いのか、日本の医療器具メーカーさんはあまりチャレンジしないようなので、何とかなりませんかね。 ダウ・東レのBiswas Shubendu氏の「洗濯洗浄における環境負荷の削減:カーボンリサイクル・カー本ニュートラル技術の活用」では新たなノニオン活性剤AE製造技術を紹介していました。アルキル基のCO2削減は植物原料等で何とかなりますが、EOの部分が課題でした。これを環境中に放出されたCO2を原料とすることで改善できたというものです。面白いですね。 |