EMPA, CFT, WFK, Testfabricsの人工汚染布(Q&A_018)

日本では湿式人工汚染布が標準的な汚染布として用いられているが、スイスのEMPA汚染布、オランダのCFT汚染布、ドイツのwfk汚染布、米国のTestfabrics汚染布等がある。

[EMPA汚染布]
スイスのSwissatest Testmaterialien AG(旧EMAP社)の汚染布。欧州のテーブルクロスの洗浄等を想定した飲食物関係の汚染布が多いのが特徴的。日本では日本資材株式会社から入手が可能。[1][2]

[CFT汚染布]
オランダのCentre For Testmaterials Marketing & Development (CFT)の汚染布。浸漬法とハンドメイド法で種々の人工汚染布を作成している。[1][2][3]

[wfk汚染布]
ドイツの洗濯科学研究所(Wäschereiforschung Krefeld e.V. 通称WFK)の子会社のwfk-Testgewebe GmbHが開発した汚染布。主に布の片面に汚れをスプレーしてつくられる。汚れの種類はB:オリーブ油、C及びF:ラノリン、D:合成皮脂である。[1][2][4][5][6]

[Testfabrics汚染布]
米国のTestfabrics Inc. の汚染布。[4][5]

人工汚染布

[参考資料]
[1] 日本資材株式会社標準人工汚染:https://www.nippon-shizai.com/Artificially-Soiled-Cotton-Fabrics.html
[2] 野村昌史, 6-14各種人工汚染布, 洗浄の事典(大矢勝他編), 朝倉書店, 448-449 (2022)
[3] 皆川基, 藤井富美子, 大矢勝編, 洗剤・洗浄百科事典, 8.1 洗浄力評価(塩原正隆), 朝倉書店, 202-218 (2003)
[4] 片山倫子, 渡辺咲子, 宮崎伊津子, 小林泰子, 阿部幸子, 各種市販汚染布による洗剤の洗浄力評価(第2報), 家政誌, 46(12), 1173-1177 (1995) https://doi.org/10.11428/jhej1987.46.1173
[5] 田嶋和夫他編, 界面活性剤評価・試験法 -製法・仏跡・応用・分析・環境-, 3・5 洗浄, 日本油化学会, 224-246 (2002)
[6] 尾畑納子, 洗浄性能の評価方法, 繊維学会誌(繊維と工業), 61(9) 237-239 (2005) https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber/61/9/61_9_P_237/_pdf
[2] 戸川暖子, 駒城素子, 洗浄力評価における人工汚染布について, 生活工学研究, 4(1), 130-133 (2002) https://teapot.lib.ocha.ac.jp/record/40212/files/KJ00004828084.pdf

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横浜国立大学名誉教授 大矢 勝
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