石けん・石鹸・セッケン・せっけんの使い分け(Q&A_003)

今回は石けん・石鹸・セッケン・せっけんの使い分けについて説明する。まずは石鹼と石けんについて。JIS等の公的な資料では石鹸の「鹸」が当用漢字でないため「石けん」が用いられるが、一部の出版関係等では漢字とひらがな混じりの用法を避ける傾向があり、「石けん」よりも「石鹸」を好む。注意点であるが、「石鹸」も「石けん」も、脂肪酸塩の界面活性剤としての意味合いと、脂肪酸塩の界面活性剤を主体とした商品としての意味合いが区別せずに用いられる。化学系の専門分野等では界面活性剤の名称と商品の名称が区別されないのは不都合が生じるので、界面活性剤として用いる場合は「セッケン」、セッケンを主体とした商品の名称としては「せっけん」を用いることになっている。
界面活性剤を扱う専門分野等では注意が必要であるが、専門分野ではセッケンよりも脂肪酸ナトリウム(塩)等の名称を用いる方が望ましいであろう。

横浜国立大学名誉教授 大矢 勝
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