洗剤と洗浄剤の違い(Q&A_002)

洗剤や洗浄剤の意味・定義は関連する法律・背景等によって違いがある。一般的な辞書等では洗浄剤は洗浄操作に用いる薬剤であり、洗剤は洗浄剤の略称とされ、両者は同義に捉えられている(広義)。家庭用品品質表示法では洗剤は合成洗剤の略称としての意味合いが加わり、主成分として界面活性剤が用いられている製品を指す。一方、酸や塩基等の界面活性剤以外を主成分とするものを洗浄剤として両者は明確に区別されている。
食品衛生法では、界面活性剤含有の有無にかかわらず洗剤ではなく洗浄剤との名称を用いてきた。産業洗浄分野では家庭用品品質表示法の洗剤に該当するものの割合が小さく、それをあえて区別した名称にする必要もなかったので、成分によらず洗浄剤との名称を用いるのが一般的になっている。ほかに、界面活性剤主体の製品であっても身体を洗う製品は洗浄料とし、洗剤は身体以外を洗う製品(家庭用品品質表示法関連)に限るとする場合もある[1]。
このような背景から、洗剤・洗浄剤の名称はケースバイケースで適宜使い分けるのが望ましい。

[1]石鹸洗剤工業会 https://jsda.org/w/03_shiki/senzaimemo_01.html

2025.04.22:一部修正(洗浄料関係)
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横浜国立大学名誉教授 大矢 勝
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